XJTAGのバウンダリスキャンテストツールは、プロトタイプの開発・デバッグから製造検査や不良解析までシームレスに利用されることが特徴のひとつです。そしてフォールトディクショナリにより、既知の欠陥情報が関係者間で共有され、不良解析等の作業が支援されます。
開発技術者と製造技術者で情報共有
フォールトディクショナリは、基板固有の情報を簡単に格納して共有できるので、プロトタイプと製造現場の橋渡しを効率良く支援します。また障害が発見されたときにディクショナリに追加することで、製造段階でも継続的に情報を更新できます。
プロトタイプの立ち上げ時および製造工程の検査中に収集されたデータを登録して、後のテストで同様の障害が検出されたときに、診断を自動的に提案します。障害は、単一のテストが失敗するだけの単純な場合もあれば、多数の関数からの戻り値の特定の組み合わせに依存することもあります。
フォールトディクショナリで定義された基準を満たすテスト実行中に検出された障害条件により、自動的に障害定義がテストオペレーターの画面に表示されます。このメッセージは、基本的なユーザーに必要に応じて指示を出し、さらに重要なことに、修理担当者が基板上のさまざまな障害の場所を迅速かつ効率的に特定するのに役立つ詳細な情報を提供します。
フォールトディクショナリは、XJTAGプロジェクトを安全に格納するXJPackファイルの一部として製造検査環境に渡されます。XJPackファイル自体は編集できませんが(システム設計者が指定したテストと監査が実行されることを保証するため)、テスト開発時または製造現場でフォールトディクショナリは編集されます。それらの経験から障害または障害の特定の組み合わせを指摘します。障害発生時に文書化することで、製造検査時の障害調査の作業が大幅に軽減されます。そして、基板のスループットが向上し、歩留まりが改善します。
主な効果
- 開発チームと製造チームの情報を共有する簡単な手段
- 迅速な故障診断を可能にし、製造検査のコストを削減
- 定義された障害コンディションに基づいて調査を支援
機能
- XJDeveloperでXJRunnerのテスト実行用XJPackファイルを生成時に制限なく障害を登録
- 既知の障害を修正する方法をテスト担当者に提供
- 障害ごとに複数の基準を持たせることで、誤検知を回避
- 製造検査時に既知の障害の(過去の経験から)考えられる原因を表示
- テストがループするように設定されている場合、障害発生の累計を提供